費用ガイド
退去時のハウスクリーニング費用は
誰が払う?
国土交通省ガイドラインでは、通常の清掃で維持していた場合のクリーニング費用は貸主(家主・管理会社)の負担が原則です。 しかし多くの物件では「特約」を理由に借主へ請求されています。その特約が本当に有効かどうか、確認する方法を解説します。
原則:ハウスクリーニング費は貸主負担
国土交通省ガイドラインの定め
「賃借人が通常の清掃(ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回りの清掃等)を実施している場合、 専門業者によるハウスクリーニングは、賃貸人(貸主)の負担とする。」
ただし「退去時のクリーニング費用は借主負担とする」という特約がある場合は例外となることがあります。
間取り別ハウスクリーニング費用の相場
1㎡あたりの相場は3,000〜5,000円が目安です(喫煙・ペットありの場合は上振れ)。 以下の「適正請求範囲」を大幅に超える場合は根拠の確認を。
ワンルーム(15〜20㎡)
💡 最も少ない面積。特約がなければ貸主負担が原則
1K(20〜25㎡)
💡 単身者に最多の間取り。目安は3万円前後
1DK(30〜35㎡)
💡 キッチンが独立している分、クリーニング箇所が増える
1LDK(40〜50㎡)
💡 リビングがある分、全体の作業量が増加
2LDK(55〜70㎡)
💡 部屋数が多い分、費用が大きくなりやすい
3LDK(75〜90㎡)
💡 ファミリー向け。特約があっても単価の確認が重要
※管理会社を通した請求は業者への直接依頼より割高になる傾向があります。著しく高額な場合は根拠資料の提示を求めましょう。
特約の有効性:本当に払わないといけない?
「退去時クリーニング費用は借主負担」という特約が契約書にあっても、以下の条件を満たさない場合は有効性を争える可能性があります。
① 借主が特約内容を十分認識していた
重要事項説明書に明記され、説明を受けた上で署名・捺印していることが必要。口頭説明のみ、または説明が不十分な場合は有効性が疑われます。
② 借主が義務負担に同意していた
単に契約書に記載があるだけでなく、借主が理解・同意したことが必要。「知らなかった」「説明がなかった」場合は争える余地があります。
③ 特約の内容が経済的に合理的である
過剰なクリーニング費用の特約や、通常使用の範囲を大きく超えた負担を課す内容は、消費者契約法により無効となることがあります。
特約があっても「通常清掃で維持していた」証拠(退去時の写真・動画等)があれば、 交渉で減額・免除できる場合があります。
払いすぎ?確認すべき4つのポイント
特約の確認
契約書・重要事項説明書に「退去時のクリーニング費用は借主負担」という記載があるか確認。記載がなければ貸主負担を主張できます。
単価の根拠を請求
1㎡あたりの単価と面積の根拠資料(見積書・領収書)を書面で管理会社に請求する。単価が5,000円/㎡を大幅に超える場合は特に確認を。
実際の汚損状況との照合
「通常の清掃で維持していた」か否かが判断の分かれ目。退去時の写真を撮影し、清潔に使用していた証拠を残すことが重要。
比較見積もりの参照
クリーニング業者の相場(市場価格)と比較し、著しく高額の場合は単価の妥当性を問える場合があります。
よくある質問
Q. 入居時よりきれいにして退去したらクリーニング代は不要?
A. 特約がなければ、通常の清掃状態で退去していれば専門業者によるクリーニング費は貸主負担が原則です。ただし「入居時より綺麗」を証明するのは難しいため、入居時と退去時の写真を比較できる状態にしておくことが重要です。
Q. クリーニング費用のみ請求されたが拒否できる?
A. 特約がない場合は交渉できる余地があります。まず管理会社に「特約の根拠」と「費用の明細・単価の根拠」を書面で求め、特約の説明を受けた事実があるかを確認してください。
Q. 喫煙・ペット可物件でもクリーニング代は貸主負担?
A. 喫煙による臭い・ヤニ汚損、ペットによる傷・臭いは借主負担になります。ただし通常のタバコ臭(通常損耗の範囲)か借主の過失による損傷かは判断が難しく、個別の状況によります。
Q. ハウスクリーニング費用の領収書を求める権利はある?
A. 請求の根拠資料(見積書・施工内容・単価)の提示を求める権利はあります。書面またはメールで「請求内訳の根拠資料の提示」を依頼しましょう。提示を拒否する場合は争いの余地が生まれます。