退去費用【喫煙あり】の相場と請求根拠
タバコ・たばこによる原状回復費用ガイド
この記事のポイント
喫煙による汚損(ヤニ・臭い)は原則として借主負担だが、入居年数による残存価値の計算は適用される
クロス(壁紙)は6年以上入居なら残存価値≈1円 → たとえ喫煙汚損でも全額請求は過大
クリーニング費は喫煙加算で1.5〜2倍になるが、相場の2倍超は要確認
消臭・脱臭費の根拠(単価・作業内容)は書面で提示を求めよう
1Kで5万円超、1LDKで10万円超は請求内訳の根拠確認が必要
1. 喫煙者の退去費用 部屋別相場
喫煙(タバコ)がある場合の退去費用は、非喫煙者に比べてクロス張替えやクリーニング費が割増になるため高くなりがちです。下記は入居年数ごとの目安です。
喫煙あり 部屋別・入居年数別の目安相場
| 部屋タイプ | 〜2年 | 2〜5年 | 5〜8年 | 8年〜 |
|---|---|---|---|---|
| 1K(〜30㎡) | 3〜7万円 | 5〜12万円 | 6〜15万円 | 6〜15万円 |
| 1LDK(〜45㎡) | 5〜12万円 | 8〜20万円 | 10〜25万円 | 10〜25万円 |
| 2LDK(〜60㎡) | 8〜18万円 | 12〜30万円 | 15〜35万円 | 15〜35万円 |
| 3LDK(〜80㎡) | 12〜25万円 | 18〜40万円 | 20〜50万円 | 20〜50万円 |
※目安であり、実際の費用は汚損程度・施工業者・地域・特約の有無によって変動します。入居年数が長いほどクロスの残存価値は減るため、8年以上ならクロス代はほぼ貸主負担になるのが原則です。
喫煙者に多い「過大請求パターン」
- • 入居6年以上なのにクロス全額(残存価値無視)を請求された
- • クリーニング費が相場(面積×5,000円)の2倍以上
- • 根拠のない「光触媒コーティング」「オゾン脱臭」を請求された
- • 喫煙エリア以外のクロスも全室交換費を一括請求された
2. 喫煙で請求される主な費目と目安
① クロス(壁紙)張替え費
喫煙によるヤニ汚れ・変色は借主負担の対象です。ただし入居年数による残存価値の適用は喫煙者でも同様に適用されます。
目安単価(ビニールクロス)
1,000〜1,500円/㎡(施工費込み)
1K(25㎡)の場合:壁面積約63㎡ × 単価 = 6〜10万円
※6年以上入居なら残存価値≈1円 → 借主負担はほぼゼロが原則
② ハウスクリーニング費(喫煙加算)
喫煙者の場合、通常の清掃に加えてヤニ除去・消臭処理が必要になるため、単価が上がります。
一般的な目安(特約あり・喫煙加算)
非喫煙者:3,000〜5,000円/㎡
喫煙者加算:4,000〜7,000円/㎡(1.5〜2倍程度)
※2倍超の請求は根拠確認が必要
特約なしで通常清掃を行っていた場合、基本のクリーニング費は貸主負担が原則。喫煙加算分のみ借主負担となる考え方もあります。
③ 消臭・脱臭処理費
喫煙特有の費目として「オゾン脱臭」「光触媒コーティング」などが請求されることがあります。
費目別の一般的な相場
「光触媒コーティング」や「防臭特殊コーティング」などはオプション工事であり、借主が義務づけられるものではありません。特約で明示されていない場合、根拠の提示を求めましょう。
④ エアコン内部清掃費
喫煙によりエアコン内部にヤニが付着している場合、通常の清掃範囲を超えるとして請求されることがあります。
目安
8,000〜15,000円/台(通常清掃との差額分が借主負担の考え方)
国交省ガイドラインでは、エアコン内部の汚れについて「喫煙等により通常使用を超える汚れが生じた場合は借主負担」とされています。
3. 入居年数と残存価値(クロス)
喫煙による汚損であっても、クロスの残存価値を超えて借主に請求することはできません(国交省ガイドライン)。
入居年数別 クロス残存価値率と借主負担の目安
| 入居年数 | 残存価値率 | 10万円請求の場合 借主負担目安 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 約83% | 約8.3万円 | 高 |
| 2年 | 約67% | 約6.7万円 | やや高 |
| 3年 | 約50% | 約5万円 | 中 |
| 4年 | 約33% | 約3.3万円 | 中低 |
| 5年 | 約17% | 約1.7万円 | 低 |
| 6年以上 | ≈1%(ほぼゼロ) | ≈数百円 | ほぼゼロ |
残存価値率 = 1 − (入居年数 ÷ 6年)。6年以上は約1%。喫煙汚損があっても残存価値を超えた請求はできない(国交省ガイドライン)。
🔑 ポイント
「喫煙しているから全額払え」は正確ではありません。借主が負担できる上限は「残存価値分のみ」。6年以上住んでいれば、たとえ喫煙汚損があっても クロス代はほぼ貸主負担になるのが国交省ガイドラインの原則です。
4. 過大請求かどうかのチェックポイント
クロス費が「残存価値」を無視した全額請求になっていないか
入居年数に関係なく全額を請求するのは過大。内訳に「入居年数による残存価値計算」が反映されているか確認する。
喫煙エリア以外の部屋まで全室クロス交換を請求されていないか
喫煙による汚損は喫煙箇所に限定されるのが原則。リビングのみで喫煙していたなら寝室のクロス代を請求できない場合が多い。
クリーニング費が面積の相場(5,000〜7,000円/㎡)の2倍超になっていないか
喫煙加算込みでも7,000円/㎡が上限目安。それを大幅に超える場合は単価根拠の書面提示を求めよう。
「光触媒コーティング」「特殊消臭剤」など特殊工事が含まれていないか
借主が依頼していない特殊工事は原則として貸主負担。特約で明示されていない場合、支払い義務を確認する必要がある。
エアコン内部清掃の単価が妥当か
喫煙によるエアコン内部のヤニ汚れは借主負担になりやすいが、15,000円/台超は相場確認が必要。
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5. 管理会社への交渉ポイント
喫煙者が交渉時に確認すべき3つのこと
①残存価値の計算書を求める
「クロス費 ¥○○ の根拠となる残存価値計算書(入居年数・耐用年数・残存価値率)をご提供ください」と書面で依頼する。
②喫煙エリアの範囲を確認する
「喫煙によるクロス汚損と判断された箇所の写真および場所一覧を提供してください」。喫煙していない部屋のクロス代が含まれていれば交渉余地あり。
③特殊工事の根拠を確認する
「光触媒コーティング・オゾン脱臭などの特殊工事について、重要事項説明書または特約における根拠条文を教えてください」。特約がない場合は支払い義務なし。
6. よくある質問
喫煙していると退去費用は必ず高くなりますか?
クロス(壁紙)のヤニ汚れ・変色、ハウスクリーニングの脱臭作業が加わるため、非喫煙者より費用が高くなるのは一般的です。ただし入居年数が長い(特に6年超)と、クロスの残存価値がほぼゼロになり、借主が負担できる額が大幅に減ります。請求がガイドライン相場の2倍以上なら過大請求の可能性があります。
クロス(壁紙)の全額を請求されましたが、払わなければいけませんか?
喫煙による汚損は借主負担になりますが、「全額負担」が認められるのは残存価値がある場合のみです。入居6年以上なら残存価値はほぼ1円(国交省ガイドライン)なので、たとえ喫煙汚損があっても全額請求は過大です。また「部屋全体のクロス張替え」を喫煙者に全額請求できるのは、汚損が全体に及んでいる場合のみです。
喫煙可と知って入居しました。それでも借主が払うのですか?
「喫煙可」物件であっても、喫煙による汚損・臭いは通常損耗ではないため借主負担となるのが一般的です。ただし入居年数による残存価値の考慮は喫煙可でも適用されます。また「喫煙可」の重要事項説明が出た際に退去費用の取り扱いについて特別な説明がなければ、借主負担の上限は残存価値分のみという考え方が基本です。
消臭・脱臭費用はどのくらいかかりますか?
喫煙による臭い除去(クリーニング+脱臭処理)は、通常のクリーニングよりも10,000〜30,000円程度追加になるケースが多いです。ただし高額な「光触媒コーティング」などは借主に義務づけられない場合があります。費用の根拠となる見積書・単価内訳を管理会社に求めましょう。
喫煙していたが退去時に特別に清掃した場合でも請求されますか?
退去前にプロ業者によるクリーニングを行っていても、管理会社側のクリーニング費を拒否できないケースが多いです。特約によっては退去時クリーニングを借主負担とする条項がある場合もあります。ただし二重にクリーニング費を請求された場合(退去前の自費分+管理会社分)は交渉余地があります。
喫煙者の退去費用が払えない場合はどうすればいいですか?
まず①内訳を精査して過大請求部分の削減交渉(特にクロス残存価値の確認)、②分割払い交渉(2〜12回払いに応じてもらえるケースも)、③法テラス(0570-078374)に相談して弁護士を通じた交渉を検討してください。支払いを完全に拒否して放置すると保証会社への連絡・強制執行リスクがあります。
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