退去費用の相場【都市別】
東京・大阪・名古屋など主要都市を比較
退去費用は住んでいる地域によって大きく異なります。このページでは、東京・大阪・名古屋・福岡など主要10都市の退去費用相場を部屋タイプ別に比較し、地域差が生まれる理由と払いすぎを防ぐポイントを解説します。
重要:地域に関係なく同じルールが適用されます
国土交通省ガイドラインによる「借主が負担すべき範囲」は全国共通です。東京でも地方でも、通常使用による経年劣化・自然損耗は貸主負担が原則。施工単価の地域差はあっても、不当請求に対する対処法は同じです。
主要都市のコストレベル早見表
全国平均を100として、主要都市の退去費用コストレベルをまとめました。
| 都市 | コスト水準 | 全国平均比 | 1K目安 | 1LDK目安 |
|---|---|---|---|---|
| 東京(東京都) | 高コスト | +15〜25% | 6〜12万円 | 10〜20万円 |
| 横浜・川崎(神奈川)(神奈川県) | 高コスト | +10〜20% | 5〜10万円 | 8〜18万円 |
| 大阪(大阪府) | やや高め | +5〜15% | 5〜10万円 | 8〜16万円 |
| 京都(京都府) | やや高め | +5〜12% | 5〜9万円 | 8〜15万円 |
| 神戸(兵庫県) | 全国標準 | ±5% | 4〜8万円 | 7〜13万円 |
| 名古屋(愛知県) | 全国標準 | ±5% | 4〜8万円 | 7〜14万円 |
| 札幌(北海道) | 全国標準 | -5〜+5% | 3〜7万円 | 5〜12万円 |
| 仙台(宮城県) | 全国標準 | -5〜+5% | 3〜7万円 | 5〜12万円 |
| 福岡(福岡県) | やや低め | -5〜-10% | 3〜7万円 | 5〜11万円 |
| 広島(広島県) | やや低め | -5〜-15% | 3〜6万円 | 4〜10万円 |
※上記は2〜5年入居・通常損耗・特約なしの場合の目安。喫煙・ペット飼育・特約有の場合はさらに高くなります。
退去費用に地域差が生まれる3つの理由
施工業者の人件費・材料費の違い
ハウスクリーニングや壁紙張替えは地元業者が施工するため、人件費の高い都市(東京・神奈川など)では単価が高くなります。東京では1㎡あたりのクリーニング費が地方の1.3〜1.5倍になることも珍しくありません。
地域の賃貸慣習・特約の普及度の違い
クリーニング特約や鍵交換費特約の普及率は地域によって異なります。東京・大阪の大都市圏では特約付き物件が多く、特約が有効な場合は借主負担の範囲が広がります。
賃料水準に連動した敷金・原状回復費水準
賃料が高いエリアほど修繕費用の絶対額も高くなる傾向があります。同じ30㎡の1Kでも、東京都心の月15万円の物件と地方都市の月5万円の物件では、原状回復費の相場が大きく異なります。
都市別 退去費用相場の詳細
東京
高コスト東京都 / 全国平均比:+15〜25%
1K・ワンルーム
6〜12万円
1LDK
10〜20万円
2LDK
15〜30万円
クリーニング単価目安
4,500〜6,500円/㎡
クロス単価目安
1,200〜1,800円/㎡
この地域の特徴
- 施工人件費が全国最高水準
- クリーニング特約付き物件が多い
- 礼金0円物件が増加し初期費用は下がっているが退去費用は高め
- 23区内は相場の上限に近い請求が多い傾向
クリーニング特約の有無を重要事項説明書で必ず確認。23区内ではクリーニング費が相場上限に近い請求が多いため、面積基準の妥当性チェックが重要。
横浜・川崎(神奈川)
高コスト神奈川県 / 全国平均比:+10〜20%
1K・ワンルーム
5〜10万円
1LDK
8〜18万円
2LDK
12〜25万円
クリーニング単価目安
4,000〜6,000円/㎡
クロス単価目安
1,100〜1,700円/㎡
この地域の特徴
- 東京に次ぐ高コスト地域
- 横浜・川崎は都心と同水準の施工単価
- 湘南・相模原方面は若干低め
- クリーニング特約の慣行が定着
横浜・川崎市内は東京都内に近い相場。鍵交換費を特約なしで請求されるケースが多いため注意。
大阪
やや高め大阪府 / 全国平均比:+5〜15%
1K・ワンルーム
5〜10万円
1LDK
8〜16万円
2LDK
12〜22万円
クリーニング単価目安
3,800〜5,500円/㎡
クロス単価目安
1,000〜1,600円/㎡
この地域の特徴
- 東京より5〜10%程度低い相場感
- クリーニング特約は東京より少ない物件も
- 交渉文化が根強く、丁寧な交渉が有効なケースが多い
- 北区・中央区などの都心部は相場高め
大阪市内は交渉に応じやすい管理会社も多い。明細の根拠を求める書面での問い合わせが効果的。
京都
やや高め京都府 / 全国平均比:+5〜12%
1K・ワンルーム
5〜9万円
1LDK
8〜15万円
2LDK
12〜20万円
クリーニング単価目安
3,500〜5,500円/㎡
クロス単価目安
1,000〜1,600円/㎡
この地域の特徴
- 学生向け物件が多く小規模物件の割合が高い
- 町家などの古い物件は経年劣化の考え方が特殊なケースも
- 観光地周辺はマンション需要が高く相場も高め
- 外国人入居者向け特約が独特の場合も
築古の町家や木造物件は特殊な原状回復を求められることがある。契約書の特約を重点確認。
神戸
全国標準兵庫県 / 全国平均比:±5%
1K・ワンルーム
4〜8万円
1LDK
7〜13万円
2LDK
10〜18万円
クリーニング単価目安
3,500〜5,000円/㎡
クロス単価目安
950〜1,500円/㎡
この地域の特徴
- 大阪より若干低い施工単価
- 三宮・元町周辺は高め、郊外は標準〜低め
- ガイドライン準拠の交渉が通りやすい地域
神戸市内は比較的ガイドライン準拠の請求が多いが、阪神・灘区周辺は注意が必要。
名古屋
全国標準愛知県 / 全国平均比:±5%
1K・ワンルーム
4〜8万円
1LDK
7〜14万円
2LDK
10〜20万円
クリーニング単価目安
3,500〜5,000円/㎡
クロス単価目安
950〜1,500円/㎡
この地域の特徴
- 全国平均に近い標準的な相場
- 名古屋市内でも区によって差がある
- クリーニング特約は6〜7割の物件で設定
- リノベーション物件増加で特約の複雑化も
特約の有効性確認が重要。名古屋市内では消毒費を一律請求するケースが比較的多い。
札幌
全国標準北海道 / 全国平均比:-5〜+5%
1K・ワンルーム
3〜7万円
1LDK
5〜12万円
2LDK
8〜16万円
クリーニング単価目安
3,000〜4,500円/㎡
クロス単価目安
900〜1,400円/㎡
この地域の特徴
- 関東・関西より施工単価が低め
- 冬季の湿気・結露による壁紙損傷が多く争点になりやすい
- 灯油ストーブ使用による煤汚れは借主負担になるケースが多い
- 寒冷地特有の設備(床暖房等)の原状回復に注意
結露による壁紙・カビ被害は「通常使用か否か」の判断が難しい。入居時から換気記録を残しておくと有利。
仙台
全国標準宮城県 / 全国平均比:-5〜+5%
1K・ワンルーム
3〜7万円
1LDK
5〜12万円
2LDK
8〜16万円
クリーニング単価目安
3,000〜4,500円/㎡
クロス単価目安
900〜1,400円/㎡
この地域の特徴
- 東北地方の中心都市として一定の相場水準
- 学生・単身者向け物件が多い
- 地元中小管理会社は交渉に応じやすいケースも
仙台市内は地元管理会社と大手管理会社で対応が異なる。書面での問い合わせが有効。
福岡
やや低め福岡県 / 全国平均比:-5〜-10%
1K・ワンルーム
3〜7万円
1LDK
5〜11万円
2LDK
8〜15万円
クリーニング単価目安
2,800〜4,500円/㎡
クロス単価目安
850〜1,400円/㎡
この地域の特徴
- 全国主要都市の中では比較的低コスト
- 博多・天神エリアは都市部として相場高め
- 九州全体では最高水準だが全国比では中程度
- 単身者向け物件の競争が激しく特約なし物件も
福岡市内では消毒・除菌費を一律請求するケースがある。特約なしの場合は根拠の確認を。
広島
やや低め広島県 / 全国平均比:-5〜-15%
1K・ワンルーム
3〜6万円
1LDK
4〜10万円
2LDK
7〜14万円
クリーニング単価目安
2,800〜4,000円/㎡
クロス単価目安
800〜1,300円/㎡
この地域の特徴
- 中国地方では最大の都市だが施工単価は低め
- 地元業者が多くガイドライン準拠の交渉が通りやすい
比較的ガイドライン通りの交渉が通りやすい地域だが、鍵交換費の一律請求には注意。
都市が違っても変わらないルール
施工単価は地域で異なりますが、「借主が負担すべき範囲」は国交省ガイドラインで全国共通です。
クロス(壁紙)の耐用年数は6年
全国共通。6年以上入居なら残存価値≈1円。クロス代の大部分は貸主負担が原則(東京でも大阪でも同じ)。
鍵交換費は原則貸主負担
特約なしの場合、東京でも地方でも原則として貸主負担。特約があっても有効性は要確認。
ハウスクリーニングは通常清掃なら貸主負担
特約なし・通常の清掃をしていた場合は貸主負担が原則。クリーニング特約の有効性も全国共通のルールで判断。
消毒費は原則貸主負担
室内消毒・バルサン費用は全国どの地域でも原則貸主負担。特約なしで一律請求するのは問題がある可能性が高い。
よくある質問
東京の退去費用は他の都市より高いですか?
はい、東京の退去費用は全国平均と比べて10〜20%程度高い傾向があります。施工人件費や材料費が高いことが主な理由です。ただし国交省ガイドラインによる「借主が負担すべき範囲」は全国共通のため、不当な請求への対処法は東京でも地方でも同じです。
退去費用の地域差はなぜ生まれるのですか?
主に①施工業者の人件費・材料費の違い、②地域の賃貸慣習・特約普及度の違い、③賃料水準に連動した原状回復費の水準の違い、の3つが理由です。ただし「借主が負担すべき範囲」の基準は全国共通です。
地方都市の方が退去費用は安いですか?
施工単価が低いため実費は安い傾向がありますが、「払いすぎかどうか」の基準(国交省ガイドライン)は全国共通です。都市部でも地方でも、不当な請求には同じ方法で対処できます。
都市によって特約の慣行に違いはありますか?
あります。東京・大阪などの大都市圏ではクリーニング特約のある物件が多い傾向があります。地方都市では特約なし物件も多く、交渉が通りやすいケースもあります。いずれにしても契約書と重要事項説明書の確認が最初のステップです。