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退去ガード
チェック
公開:2026年3月29日更新:2026年3月29日8分で読める国交省ガイドライン準拠

退去立会い 完全ガイド
|当日の流れ・拒否できる?・サインの注意点【2026年版】

退去立会いは退去費用の金額が事実上決まる重要な場面。事前準備と当日の対応を間違えると、払わなくていい費用まで払うことになりかねません。このガイドでは流れ・チェックポイント・サインの注意点をすべて解説します。

🌸

3〜5月は退去立会いが集中するシーズンです

引越しシーズンで業者・担当者が多忙なため、立会いが雑になりやすい時期。このガイドで事前準備を万全にしてください。

退去立会いとは?目的と流れ

退去立会いとは、賃貸物件を退去する際に借主・貸主(または管理会社の担当者)が立ち合って室内の状態を確認する手続きです。

退去立会いの主な目的

  • 🔍室内の傷・汚れ・破損箇所を確認し、記録する
  • ⚖️各損傷が「借主負担(故意・過失)」か「貸主負担(通常損耗・経年劣化)」かを判断する
  • 💰原状回復費用(退去費用)の根拠を確認する
  • 🔑鍵の返却・本数確認をする

⚠️ 重要:退去立会いは「費用が決まる場面」

退去立会いは単なる確認作業ではなく、退去費用の根拠が形成される法的に重要な場面です。 その場で同意書やサインを求められることも多く、内容をよく確認せずにサインすると後から異議を申し立てにくくなります。

退去立会いの日程調整・当日の流れ

退去立会いの一般的な流れ

  1. 1

    事前

    解約通知と立会い日程の調整

    管理会社へ退去1〜2ヶ月前に解約通知。立会い日は引越し当日(荷物搬出後)に設定することが多い。

  2. 2

    当日

    担当者と合流(玄関・エントランス)

    管理会社または大家の担当者が来訪。荷物が全て搬出されていることを確認する。

  3. 3

    当日

    室内チェック(全室・設備)

    各部屋を一緒に回り、壁紙・床・設備の状態を確認。担当者がチェックシートに記入することが多い。

  4. 4

    当日

    費用の説明・同意書の提示

    現場で「○○の修繕費は〜円」と概算を伝えられたり、確認書へのサインを求められることがある。

  5. 5

    当日

    鍵の返却

    スペアキーも含めて全ての鍵を返却し、受領書または確認書をもらう。

  6. 6

    後日

    正式な費用請求書が届く

    立会い後、2〜4週間程度で正式な退去費用の請求書が届く。この時点で改めて内容を精査する。

💡 立会い日時の設定のコツ

  • ・ 引越し作業完了後に余裕を持って設定する(急かされないために)
  • ・ 可能なら平日の午前中(担当者が丁寧に対応しやすい)
  • ・ 引越しシーズン(3〜4月)は担当者が多忙なため、確認が雑になりやすい。写真撮影を徹底する

立会い前に準備すること(事前チェック)

退去立会いで有利に進めるための準備は「立会い前」が最も重要です。

① 入居時の写真・動画と現状を比較する

  • 入居時に撮影した写真がある場合、同じ場所を現状と比較する
  • 「入居前からあった傷・汚れ」をリストアップしておく
  • 入居時の写真がない場合は退去前に全室を動画撮影し、現状を記録する

② 賃貸借契約書・重要事項説明書を再確認

  • 特約の内容(借主負担の拡大特約など)を確認する
  • 「退去時クリーニング費は借主負担」等の記載の有無を把握する
  • 入居時に説明を受けた内容と一致しているか確認する

③ 退去前のクリーニングを行う

  • 通常の清掃(掃除機・水回りの清掃・換気扇フィルター交換等)を行う
  • 「通常の清掃を行っていた」という事実が、クリーニング費の交渉で重要になる
  • ただし過度に掃除する必要はない。経年劣化は貸主負担が原則

④ 撮影機材・メモ道具の準備

  • スマートフォンの充電を満タンにする
  • 照明が暗い場所でも撮影できるようフラッシュ/懐中電灯を用意
  • 担当者の説明をメモできるよう紙とペンを持参する

当日の確認ポイント(部屋別)

担当者とともに確認する際、以下の項目は自分でもチェックして写真を撮っておきましょう。

🧱 壁・天井(クロス)

入居時からの傷・汚れでないか確認通常損耗→貸主負担
日焼け・自然な変色経年劣化→貸主負担
釘穴・画鋲穴(下地ボードまで穴があいているか)小さな穴→通常損耗
落書き・大きなキズ・タバコのヤニ汚れ借主負担になりやすい

🪵 床(フローリング・畳)

家具を置いたことによる凹み・変色通常損耗→貸主負担
重いものを落とした傷・ペットの爪傷借主負担になりやすい
フローリングの色褪せ・自然な摩耗経年劣化→貸主負担
畳の変色・日焼け(日常生活範囲内)通常損耗→貸主負担

🚿 水回り(キッチン・浴室・トイレ)

水垢・サビ(通常の清掃で除去できる程度)通常損耗
カビ(換気不足が原因の場合は借主負担の可能性)状況による
換気扇・レンジフードの油汚れ清掃を怠った場合は借主負担
シンク・浴槽のひび割れ・欠け故意・過失→借主負担

⚙️ 設備・その他

エアコンのフィルター清掃(入居者が実施すべき日常清掃)清掃不足は借主負担の可能性
電球・蛍光灯の交換消耗品→借主負担が多い
窓ガラスの汚れ・傷通常の汚れは貸主負担
網戸・サッシの傷・破損故意・過失は借主負担

サイン・同意書への対応|拒否できる?

結論:その場でのサインは義務ではありません

退去立会い時に担当者から「確認書」「精算同意書」「現状確認書」などへのサインを求められることがあります。内容に納得できない場合は「持ち帰って確認します」と伝えてサインを保留することができます。その場で即断を迫られても、焦らず対応してください。

サイン前に確認すべきポイント

リスク

「全費用を借主負担とすることに同意する」という文言

国交省ガイドラインに基づく通常損耗・経年劣化の貸主負担原則を放棄することになるため、サインは慎重に。

リスク

「現状を確認し、請求に異議なく同意する」という文言

この文言があると後から費用に異議を申し立てる際の根拠が弱くなる。内訳が不明な段階では避けるべき。

リスク

「退去立会い確認書(損傷の事実のみ記録)」

事実関係の記録のみであれば、内容を確認した上でサインしても問題ないケースが多い。費用への同意は含まれていないかを確認する。

リスク

「鍵返却確認書」

鍵の返却事実を記録するもので、費用への同意を含まないため署名しても問題ない。

サインを求められたときの断り方(例文)

「内容を確認してから署名したいので、書類をいただけますか?帰宅後に確認の上、後日ご連絡いたします。」

この一言でその場でのサインを保留できます。担当者が強く迫る場合は「内容の確認なしには応じられません」と毅然と伝えましょう。

退去立会いは拒否できるか?

結論:法律上の参加義務はない。ただし「参加した上で写真撮影・サイン拒否」がベスト

民法上、退去立会いへの参加を強制する規定はありません。ただし、立会いを拒否すると「退去時の室内状態」を自分で確認・証拠化できなくなるというデメリットがあります。

立会い拒否のデメリット

  • • 退去時の室内状態を証拠化できない
  • • 後から「こんな傷があった」と言われても反論しにくい
  • • 担当者が一方的に損傷を記録しても確認できない
  • • 費用請求時に証拠が弱くなる

立会い参加のメリット

  • • 自分の目で室内状態を確認・証拠化できる
  • • 「入居前からあった傷」をその場で主張できる
  • • 担当者の説明内容を記録できる
  • • 納得できない費用についてその場で意見を言える

💡 おすすめの対応

立会いには参加して写真撮影を徹底する + 不当な同意書へのサインは拒否する、という対応が最もリスクが少ないです。 「参加 ≠ 費用への同意」という意識を持って臨んでください。

写真撮影のコツと保存方法

退去立会いでの写真撮影は、後の費用交渉において最も重要な証拠になります。

1

担当者の到着前に全室を撮影する

立会い開始前に自分で全室を撮影しておく。担当者がいなくても退去時点の状態を記録できる。

2

壁・床・設備は近接と全体の2パターンで撮る

傷の大きさ・程度がわかるよう、近接写真(30cm以内)と全体を映した写真の両方を撮影する。

3

タイムスタンプを有効にする

撮影日時が記録されるよう、スマートフォンのカメラ設定でタイムスタンプを有効にしておく。

4

「問題なし」の箇所も撮影する

損傷がない箇所も「退去時点では問題なかった」という証拠になる。全室を満遍なく撮影する。

5

撮影データはクラウドにバックアップする

Google フォトや iCloud などクラウドストレージにバックアップし、退去後1〜2年は保管する。

立会い後に費用請求が来たら

退去立会いの後、通常2〜4週間で正式な費用請求書が届きます。請求書が届いたら以下の手順で対応します。

請求書が届いたらすぐやること 5ステップ

  1. 1

    明細書の各費用の根拠を確認する

  2. 2

    国交省ガイドライン基準で妥当性をチェック(退去ガードで1分)

  3. 3

    立会い時の写真・担当者とのやり取り記録を整理する

  4. 4

    不明な費用は書面で管理会社に根拠提示を要求する

  5. 5

    交渉が難しければ消費生活センター(188)・法テラスへ相談

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よくある質問

退去立会いとは何ですか?

退去立会いとは、賃貸物件を退去する際に借主・貸主(または管理会社の担当者)が立ち合って室内の状態を確認する手続きです。どこに傷や汚れがあるか、それが借主負担か貸主負担かを現場で確認します。退去費用(原状回復費用)の根拠を確認する重要な場面です。

退去立会いを拒否することはできますか?

法律上、退去立会いへの参加を義務づける規定はなく、拒否すること自体は可能です。ただし、立会いに参加しないと「退去時の室内状態」を自分で確認・記録できないため、後から不当な費用請求をされても証拠が残りにくくなります。参加した上で、写真撮影・不当な同意書へのサイン拒否、という対応がベストです。

退去立会いで同意書やサインを求められたら必ず署名しないといけませんか?

その場でのサインは義務ではありません。内容に納得できない場合は「持ち帰って確認します」と伝えてサインを保留することができます。特に「全費用を借主負担とする」「現状確認に同意する」という文面は、後の交渉を難しくするため、内容を十分に確認してから署名するか判断してください。

退去立会いで有利に進めるコツは?

①事前に入居時の写真と比較して「入居前からあった傷」を把握する、②退去立会い当日に全室を自分でも写真・動画撮影する、③「入居時からあった傷」は明確に主張する、④その場で費用同意書にサインしない、⑤担当者の説明はメモまたは録音(許可を得た上で)する。これだけで後の交渉力が大きく変わります。

退去立会い後に請求書が届いたらどうすればいいですか?

①各費用の根拠(写真・施工単価)の書面提出を要求する、②国交省ガイドライン基準で各費目の妥当性を確認する(退去ガードで1分チェック可)、③納得できない費用は書面で異議を申し立てる。立会い時の写真・同意書の有無・担当者のやり取り記録が交渉の証拠になります。

退去立会いで「問題なし」と言われたのに後から費用請求された場合は?

立会い時に「問題なし」と言われた場合や、軽微な損傷のみと確認された場合に、後から高額な費用請求が来たときは異議申立ての根拠になります。立会い時の写真・録音・担当者の発言メモを証拠として、書面で請求根拠の開示と減額を要求しましょう。必要なら消費生活センター(188)や法テラスへの相談も有効です。

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